スペシャルウィークのつくり方 October 13, 2005
Rating: 3

今夏、シーザリオがアメリカのオークスを勝ったのには驚いたが、ずっと父はサンデーサイレンスだと思っていた。それくらいサンデー産駒に見えるのだが、実は父はスペシャルウィーク。 ロクに競馬をみてない証拠なのだが、思えばスペシャルウィークが引退したあたりからあまり見なくなった気がする。

スペシャルウィークは非常に印象深い馬だった。何といっても5歳(現4歳)秋のGI3連戦、16kg減で出て来た時は「ミスったのか?」と思うくらいで、あの腹のラインは見たことがない仕上げだった。しかもそれだけで東京直線一気の脚が甦るというのに2度びっくり。 『スペシャルウィークのつくり方―ダービー馬の生産・調教・レース (宝島社新書)』


というわけで、この本はスペシャルウィークの生産〜引退まで関わった人達の物語。 とにかくダービーをとりたくてデビュー時からダービーを意識した武豊ジョッキー、名牝系にこだわった生産者(元不動産屋)、普通の大学生から競馬界に飛び込んだ異色調教師など。 スペシャルウィークのダービーに至るまでのそれぞれの紆余曲折が描かれているが、そのままプロジェクトXにできそうな勢い。

特に牝系改良の話は日本の馬産の縮図になっており、営々と築き上げて来た血がスペシャルウィークで世界に追い付いたというストーリー。そして冒頭で書いたように、シーザリオが世界の一つの頂点にたどりついたという後日談に結び付く。

一方で、武豊ジョッキーや白井調教師のエピソードからは、期待された馬の経過がつづられる。陣営の内幕ではその時々の感触や思惑があり、テレビ観戦してた頃には全然そんな話になってるとは思ってもみなかった。 当時は「ツルマルツヨシはいつ化けるのか」とか「ひょっとしたらメイショウオウドウは届くんじゃないか」と穴馬サイドに期待してた記憶がある。

とにかく非常に役者が多彩だった頃の主役の話で、色々思い出しつつ読んでて面白かった。しかしあれだけ勝って年度代表馬になれてないとは。

Comments are closed.